The Secret Admirer Love Letter in the Red Mail Post Box (Part 2)
赤い郵便ポストの足元で、アイラは一通の手紙を見つける。 それは、正体不明の誰かから自分へと宛てられた、秘密のラブレターだった。 秘められた想いと淡い恋心が交差する、心温まる学園ショートストーリー。


赤い郵便ポストの中の手紙
第12章:早朝の校舎
アイラが登校したとき、太陽はまだ低い位置にあった。
空気は澄み渡り、校内はひっそりとしている。校門をくぐる生徒もまだまばらだ。アイラは鞄の持ち手をぎゅっと握りしめ、ゆっくりと歩いた。
緊張で、胸がざわついている。
その隣を、ヒカリが自信満々な足取りで歩いていた。
「リラックス、リラックス」ヒカリが微笑む。「私がついてるから大丈夫だよ」
アイラはこっくりと頷いた。
ヒカリは、アイラにとって誰よりも信頼できる存在だった。
二人は並んで校舎の中へと入っていった。
第13章:ヒカリの極秘作戦
始業前、教室では生徒たちが賑やかにお喋りを楽しんでいた。
それはヒカリにとって、絶好のチャンスだった。
「アイラはここにいて。私がやってくるから」ヒカリが耳元で囁く。
アイラは目を丸くした。
「う、うん……わかった」
ヒカリは、何でもないふりをして教室を歩き回った。笑顔で冗談を言い、いつも通り振る舞っている。けれど、その瞳は鋭かった。
彼女は男子たちのノートを、一冊ずつさりげなくチェックしていったのだ。
誰にも気づかれない瞬間を狙って――。
カシャッ。
隠れて写真を撮る。
まずはハルトのノート。
それから――。
カシャッ。
ヨシのノート。
さらに、静まり返った隙を見て――。
カシャッ。
生徒会の書類に書かれた、フユタケの文字。
ヒカリはスマホを確認した。
作戦完了。
席で見守っていたアイラの心臓は、壊れそうなほど速く鼓動していた。
第14章:学食の朝
チャイムが鳴り、アイラとヒカリは学食へ向かった。
焼きたてのパンと温かい料理の香りが立ち込めている。
二人は窓際の小さなテーブルに座った。
アイラは食事を口に運ぼうとしたが、手がわずかに震えていた。
「緊張してお腹に入らない?」ヒカリが優しくからかう。
アイラが頷いた、その時だった。
「よお」
目の前に、ハルトが立っていた。
「隣、いいかな?」
アイラの顔が瞬時に赤くなった。
「あ……うん、いいよ」
ハルトは隣に座ると、爽やかに笑った。
クラスのことや宿題の話。彼は時折、穏やかに笑う。
彼を見つめるアイラの胸が、小さく揺れた。
ヒカリはそれを、黙って観察していた。


第15章:ヨシの異変
食堂の向こう側では、ヨシが他の男子たちと座っていた。
けれど今日の彼は、いつもと様子が違っていた。
妙に静かだった。
冗談も言わなければ、大きな声で笑うこともない。
その代わりに、視線だけが落ち着きなく動いていた。
アイラの方を、何度も見ている。
一度、二度……。
アイラもその視線に気づいた。
「……ヨシくん、なんだか変だよ」アイラがヒカリに囁く。
ヒカリも頷いた。
「気づいてた。……怪しいね」
謎はさらに深まっていく。
第16章:フユタケの穏やかな誘い
昼休み、生徒会室にメンバーが集まった。
フユタケは背筋を伸ばし、いつものように冷静な佇まいで立っていた。
彼はアイラの方へ歩み寄ってきた。
「アイラさん」彼は礼儀正しく声をかけた。
「放課後、少し時間はありますか?」
アイラは驚いて顔を上げた。


「えっ……。あ、はい。大丈夫ですけど……」
「生徒会の仕事で、少し手伝ってほしいことがあるんです。すぐ終わりますから」
アイラは頷くしかなかった。
「わ、わかりました」
後ろで見ていたヒカリの目が、わずかに細められた。
第17章:長い一日の終わり
授業はいつもより長く感じられた。
アイラは全く集中できなかった。
ハルトの笑顔。
ヨシの静かな視線。
フユタケの穏やかな声。
すべてが頭の中で混ざり合っていた。
ようやく、終わりのチャイムが鳴った。
アイラとヒカリは一緒に帰路についた。
けれど今日は、ヒカリもアイラの家までついてきた。
「じっくり話さなきゃね」ヒカリは真剣な表情で言った。
第18章:画面越しの筆跡
アイラの部屋のドアが閉まる。
ヒカリはベッドに腰掛け、スマホを取り出した。
「たくさん撮ってきたよ」
隣に座るアイラは、気が気ではない。
ヒカリは二人の間にスマホを置いた。
一枚、二枚、三枚。
ハルトの字。
ヨシの字。
フユタケの字。
ヒカリはそれらを、例のラブレターの文字と比較していく。
彼女の表情が険しくなった。
「この三人……」ヒカリがゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……みんな、すごく似てる」
アイラは小さく息を呑んだ。顔に熱が集まっていく。
「え……っ?」
鼓動が、また激しくなり始めた。
第19章:赤面と沈黙
アイラは両手で顔を覆った。
「もう見られない……」彼女が囁く。
ヒカリは楽しそうに微笑んだ。
「本当に照れ屋さんなんだから」
アイラは小さく頷いた。
「……心臓の音が、自分でもうるさいくらいなの」
ヒカリが再びスマホを構えた。
「アイラ、ちょっとそのまま」
「え、何で?」
ヒカリはスマホを高く掲げた。
カシャッ。
一枚。
カシャッ。
もう一枚。
カシャッ。
ベッドの上で、顔を赤くして困惑するアイラ。
ヒカリはその瞬間を、逃さずカメラに収めた。
第20章:三つの名前、一通の手紙
部屋が静まり返った。


「それで……」ヒカリが静かに言った。
「ハルト。ヨシ。フユタケ」
彼女はアイラをじっと見つめる。
「この中の誰かが、あの手紙を書いたんだよ」
アイラの心臓が強く脈打つ。
なんて言えばいいのか、わからなかった。
どんな気持ちになればいいのかも。
窓の外では、空の色がゆっくりと暮れなずんでいた。
第21章:続く物語……
答えは、すぐそこまで来ている。
けれど、まだ明かされてはいない。
一人の内気な女の子。
一人の頼もしい親友。
三人の少年。
一通の秘密の手紙。
そして、すべてを始めた赤いポスト。
🌸 第2部・完 🌸
👉 秘密のファンの正体は誰?
👉 答えは第3部で……💌

