Rolling in a Mat Class Chaos at Shirakawa High

白河高校でのマットの授業、あいらたちはカオスだけど超楽しかった! ぶつかって笑って、冷やかして、ちょっとした恋のドラマもあって、忘れられない一日になったよ。

マット運動の授業はカオス!

ざわめく朝

白河高校の朝は、いつもより賑やかだった。まだチャイムが鳴る前だというのに、中庭からは生徒たちの楽しそうな話し声が聞こえてくる。明るい太陽が校庭に降り注ぎ、風を生温かくし、校舎の前に運び出された体育用具の列を照らしていた。

今日は特別な日。
今日はマット運動の授業なのだ。

女子生徒たちにとって、これは一年で最も楽しい授業の一つだ。いつもの走り込みや柔軟運動ではなく、体育科が校庭に長くて緑のマットを敷き、先生が見守る中、皆で順番に前転を行う。

綺麗に髪を結び、明るい瞳をしたあいらは、友人であるメイとヒカリと共に現れた。彼女たちは校舎のすぐ前、既に長い列ができていたマットの敷かれた広場へと向かった。

「今日はすごく暖かいね。マット運動にはもってこい」メイが朗らかな笑顔で言った。

「私の髪をめちゃくちゃにするのにももってこいだけど」ヒカリは、そよ風でスカートがめくれないように押さえながら冗談を言った。

あいらはくすっと笑う。「ほら、見て。今日は私たちの一列目が最初だよ。先生がそう言ってたもん」

三人は列の先頭へ向かい、担任の早見先生(女性教師)がクリップボードを準備しているクラスメイトたちの輪に加わった。

「いい? 皆、きちんと並んで」早見先生が言った。「一人ずつ回ります。前の人が完全に終わって立ち上がるまで、絶対に始めないこと。安全第一よ」

女子たちは頷いた。
安全は大事。
でも、楽しむことも大事。

あいらはヒカリに小声で囁いた。「今度は、あまりスピード出しすぎないでね」

ヒカリは頬を膨らませた。「一回だけだよ、速すぎたのは」

メイがそっと笑った。「先週マットにぶつかったからでしょ」

三人は期待を込めて顔を見合わせた。

最初の一回転

メイが列の先頭に立った。彼女はブラウスを整え、小さく息を吸い込み、緑のマットの上へ踏み出した。

クラスメイトたちが静かに拍手をする。

「メイ、頑張れ」あいらが囁いた。

メイはしゃがみ込み、両掌をマットにつき、頭を入れ、滑らかに前転した。きれいに着地し、立ち上がり、照れくさそうにお辞儀をする。

皆が拍手を送った。

早見先生はクリップボードに何かを書き込み、「メイ、素晴らしいフォームよ。とても綺麗」と言った。

褒められ、頬を温かくしたメイは列を外れた。

次はいらだ。

「頑張ってね」ヒカリが囁いた。「失敗しないでよ」

あいらは笑った。「しないわよ」

彼女はマットの上へ踏み出した。手のひらの下に、少し温かい表面を感じる。マットは微かにゴムと太陽の匂いがした。息を吸い込み、前へ傾く。

体はマットの柔らかい表面を滑らかに転がり、スカートが少しめくれたものの、特に変わったことはない。彼女は座り込むように着地し、立ち上がりながら笑った。

クラスメイトの拍手を受け、あいらは小さな誇りを感じた。

そして、彼女は一歩横へよけた。

――その時、事件は始まった。

突然の衝突

ヒカリは興奮と少しの焦りから、メイとあいらの成功を見て、すぐに自分も回りたいと決めてしまった。

彼女は早すぎるタイミングでマットに足を踏み入れた。

しゃがみ込む。

手をマットにつける。

そして、あいらがまさに横によけようと一歩踏み出したその瞬間に、前転を始めたのだ。

あいらがマットから半分身を乗り出した時、柔らかくも勢いのある何かが腰にぶつかるのを感じた。

「あ、ちょっと、ヒカリ!」
しかし、もう遅い。

ヒカリは真っ直ぐにあいらに突っ込み、彼女のバランスを崩した。

あいらは横へ倒れ、そっとマットの上に転がった。ヒカリもバランスを失い、マットの端へ転がり落ち、ぐちゃぐちゃだが無害な塊となって友人の隣に着地した。

一瞬の静寂。
そして、クラス全体が爆笑に包まれた。

ヒカリは恥ずかしそうに頭を上げた。「ごめ、待つの忘れちゃった」

あいらはまだ半ばマットに寝転んだまま、笑った。「ヒカリはいつもそうなんだから」

緑のマットには、二人のブラウスに小さな土や乾いた草の筋がついていた。カオスの中でスカートは少し捲れてしまったが、クラスの誰も気にしている様子はない。体育の時間は、こういうことが頻繁に起こるのを知っていたからだ。

早見先生は首を振りながら笑った。「あなたたち、一人ずつって言ったでしょう。でも、あんな風に絡まるなんて、いいチームワークね」

あいらはヒカリに手を差し出し、二人は一緒に立ち上がった。

ハルトの登場

生徒たちの輪の脇から、一人の男子生徒がぎこちなく手を振った。

「ねえ、あいら。大丈夫?」ハルトが尋ねた。

あいらは少し身を固くした。ハルトはクラスメイトの一人で、静かに練習を見ていた。ハルトがあいらに好意を抱いていることは皆知っていたが、たぶんあいら自身は気付かないふりをし続けている。

ハルトは一歩近づいた。「スカートに土がついてるよ。立ち上がるの手伝おうか、それとも何かいる?」

あいらは頬を赤くしながら、素早く首を振った。「う…ううん、大丈夫。平気だよ」

ヒカリが背後でニヤリとした。「あいらは大丈夫だよ、ハルト。心配してくれてありがとう」

あいらは軽くヒカリの肩を叩いた。「やめて」

ハルトは緊張した笑顔を見せた。「そっか。よかった」

その瞬間は、微笑ましく、他愛なく、純粋なものだった。

少なくとも、あいらとハルトにとっては。

しかし、それを快く思わない者たちもいた。

悪役グループの反応

列の後方、校舎の壁にもたれかかるように立っていたのは、四人の女子生徒のグループだった。

皆が冗談で**「悪役女子グループ」**と呼ぶ、悪名高いグループだ。もちろん本当に悪役ではないが、彼女たちは大げさで、プライドが高く、自分たちの好きな男子が関わることにはすぐに苛立ってしまう。

そのうちの一人、レイナはハルトをじっと見ていた。
彼女はハルトが好きだったのだ。

そして、ハルトがあいらを見る目が気に入らなかった。

「なんでハルトはいつもあの子を見てるわけ」レイナが呟いた。「マットの上で転んだだけじゃない。別にすごくもないのに」

友人のサキが腕を組んだ。「あの子はいつも注目されるよね。ただ地面を転がってる時でさえ」

「あの衝突、すごくドジだったのに」別の女子が付け加えた。「恥ずかしがるべきなのに、笑ってるし」

四人目の女子は肩をすくめた。「ハルトが見てるからでしょ。どう考えても」

レイナは胸が締め付けられるのを感じた。あいら個人に怒っているわけではないが、ハルトがあれほど素早くあいらの元へ向かうのを見て、嫉妬心が湧いたのだ。

ヒカリは悪役グループの視線に気づき、あいらに囁いた。「ファンがいるわよ」

あいらは純粋に目を瞬かせた。「誰が?」

ヒカリはため息をついた。「何でもない」

授業は続く

衝突の後、クラスの残りの生徒たちはマット運動を続けた。先生は拍手し、指導し、修正し、そして皆と一緒に笑った。緑のマットは回転の度に埃っぽくなり、動くたびに女子たちのスカートがひらひらと舞った。

服の埃を払ったあいらとヒカリは列に戻った。メイがあいらの肩をポンと叩く。

「大丈夫?」

「うん」あいらは答えた。「ちょっとだけ目が回った」

ヒカリはにっこり笑った。「私は脳みそまで転がったと思う」

皆がまた笑った。

雰囲気は軽やかで、温かく、学園生活のエネルギーに満ちていた。それは、シンプルでありながらも記憶に残る瞬間のひとつだった。

ハルトは、あいらの方向をチラチラ見ながら、ストレッチをしているふりをして近くに留まっていた。

遠くから見ていたレイナは、大げさにため息をついた。「最悪の授業だわ、もう」

放課後の冷やかし

運動が終わり、早見先生が解散を告げると、女子たちは水飲み場に駆け寄り、水を飲んで熱を冷ました。

ヒカリがあいらの頬を突いた。「彼、あなたのこと十回くらい見たよ」

「見てないよ」あいらは口ごもった。

メイがそっと笑った。「本当に見てたってば」

あいらの頬が熱くなる。「お願いだからやめて」

二人は、少し埃っぽい制服のまま、明るい笑顔で校舎へ向かって歩きながら、ヒカリがあいらをからかい続けた。

あいらの帰宅

授業が全て終わり、あいらは通学カバンを抱えて家路についた。

母親が玄関で待っていた。

「あいら。どうしてブラウスがそんなに汚れてるの? スカートも。何があったの?」

あいらは固まった。「あ…体育の授業で」

「体育でこんなに?」母親は生地についたシミを指で持ち上げながら尋ねた。

あいらは恥ずかしそうに頷いた。「今日はマット運動の授業だったの。転んじゃって。ヒカリにもぶつかられたし」

母親はため息をつき、腰に手を当てた。「あいら、もう少し気をつけなさい。制服は安くないのよ」

あいらは頭を垂れた。「ごめんなさい…」

母親は一瞬立ち止まった。
そして、微笑んだ。

「いいのよ。洗えばね。楽しかったなら、それでいいわ」

あいらの目が輝いた。「うん、すごく楽しかった。みんな笑ってたし、先生まで。それに…ヒカリが私にぶつかってきたのが、もう最高に面白かったの」

母親は彼女の髪をそっと撫でた。「それなら良かったわ。楽しい思い出が大切な時期よ。ただ、次はもう少し服をきれいに保ちなさいね」

あいらは母親を抱きしめた。
その日の温かさが、再び彼女の心に戻ってきた。

記憶に残る瞬間

その夜遅く、あいらはベッドに座り、窓の近くに吊るされた綺麗な制服を見つめていた。

暖かい太陽、緑のマット、メイの完璧な回転、ヒカリの笑い声、衝突、土埃、ハルトの心配そうな表情、そして遠くから睨んでいた悪役女子グループのことさえ思い出した。

それはカオスだった。
それはくだらなくて。
それは恥ずかしかった。
でも、完璧だった。

あいらは自分に囁いた。「今日のこと、きっと私のお気に入りの思い出になるな」

彼女は目を閉じ、微笑んだ。