A Mirror, A Promise, and a Dangerous Smile (Part1)

危うい微笑みを浮かべる少年とヒカリの出会い。 親友を守るため、アイラは立ち上がる。 乱闘の中で暴かれる、恐るべき秘密。 彼は英雄なのか、それとも怪物なのか?

鏡と約束、そして危うい微笑み

第1章:幼馴染のふたり

アイラとヒカリは、物心ついた時からの大親友だった。

出会いは小学校の入学式。それ以来、二人はずっと隣にいた。一緒に勉強し、一緒に笑い、時には一緒に泣いた。

学校の誰もが、二人を「セット」だと思っていた。

一方が静かな時は、もう一方が言葉を紡ぐ。
一方が怯える時は、もう一方が強く立つ。

けれど、今日はいつもと違っていた。
今日、ヒカリはある男の子に会いに行くのだ。

第2章:放課後の作戦

授業が終わり、校内は騒がしさに包まれた。
生徒たちが声を弾ませて校門へと急ぐ中、アイラとヒカリはいつものように並んで歩いていた。

でも、アイラには分かっていた。
ヒカリが緊張していることに。

「大丈夫?」アイラが尋ねる。
ヒカリは微笑んだ。
「うん。ちょっと……ドキドキしてるだけ」

ヒカリが会う相手は、ネットで知り合った男の子だった。数週間やり取りを重ね、彼は優しくて、面白くて、自信に満ちた人に見えた。

待ち合わせ場所は、繁華街にある賑やかなゲームセンターの前。
アイラも一緒に行くことにした。

「一応、確認しなきゃね」とアイラ。
「遠くから見てるだけにするから」
ヒカリは笑った。
「まるで私のボディーガードだね」

第3章:追ってくる視線

繁華街は混雑していた。
派手な看板、騒がしい声、店から流れる音楽。
二人が歩くと、道行く人々が振り返った。

ある男たちは一度目を向け、そして二度見した。
友人に耳打ちする者もいれば、こっそりスマホで写真を撮る者もいた。

アイラはそのすべてに気づいていた。
彼女はヒカリに寄り添う。
「離れないで」静かに、そう告げた。
ヒカリは小さく頷いた。

待ち合わせ場所に到着した。
ゲームセンターの入り口に、一人の少年が立っていた。

第4章:エイノスケという少年

そこに立っていた少年は、自信に満ちあふれていた。
背が高く、他校の制服を着こなしている。リラックスした立ち姿に、不敵な笑み。

ヒカリの姿を見つけると、彼の目が輝いた。
「君がヒカリだね」
ヒカリも微笑み返す。「……エイノスケくん?」

アイラは近くのベンチに腰を下ろした。
ヒカリが一人でいるように見える、けれど何かあればすぐに守れる距離に。

エイノスケの話し方は滑らかだった。冗談を言い、笑わせる。少し派手で強気な印象だが、失礼な感じはしない。
アイラは慎重に観察を続けた。

(今のところは……大丈夫そうね)

第5章:喧騒の中へ

三人はゲームセンターの中へと足を踏み入れた。
点滅するライト、ゲームの爆音。
他校の生徒たちで溢れかえる空間。

アイラはつかず離れず、静かに後を追った。
その時、アイラの目に留まったものがあった。

筐体のそばにたむろする不良グループ。
彼らの視線は、ヒカリに釘付けになっていた。
嫉妬の混じった表情で、一人が何かを囁く。
そして、彼らは距離を詰め始めた。

第6章:不敬

「よう」一人が声をかけた。
「名前、なんてーの?」

ヒカリは思わず後退りする。
彼女が答えるより早く、エイノスケが前に出た。

「失礼だろ」彼は冷静に言った。
「彼女は俺と一緒にいるんだ」

不良たちは鼻で笑った。
「お前、誰だよ?」

エイノスケの笑みが消えた。
「……最後通牒だぞ」
空気が重くなる。

その時――
一人の男が、ヒカリの腕を強引に掴んだ。

第7章:最初の一撃

すべては一瞬だった。
エイノスケの拳が唸りを上げ、男の顔面にめり込んだ。

男は糸が切れた人形のように床に崩れ落ちる。
店内が騒然となった。

「うわっ!」
「マジかよ!」

残りの三人が一斉にエイノスケに襲いかかる。
アイラは即座に動いた。
ヒカリの手を引く。
「逃げて!」

その場を離れようとした、その時。
さっき倒れたはずの男が、執念深くヒカリの足首を掴んだ。

アイラが振り向く。
その瞳は鋭く、冷たかった。

第8章:アイラの逆襲

アイラに迷いはなかった。
鋭い突き、そして蹴り。
無駄のない、強烈で速い一撃。

男は白目を剥いて沈んだ。
ヒカリが息を呑む。「アイラ……!」

エイノスケは三人を相手に、地面を転がりながら乱闘を繰り広げていた。
顔を庇いながらも、必死に拳を繰り出している。
周囲の生徒たちは、囃し立てたり笑ったり、勝手に盛り上がっている。

すると、攻撃側の一人がアイラに標的を定めた。
彼はアイラに向かって突進した。

第9章:突然の盾

だが、その拳が彼女に届くことはなかった。
大きな手が、その一撃を軽々と受け止めたのだ。

聞き覚えのある声が響く。
「その子に触るな」

アイラが顔を上げると、そこにはハルトがいた。
彼の背後には、ヨシとフユタケの姿も。

彼らは偶然、乱闘を見かけて駆けつけたのだ。
それがアイラたちだとは夢にも思わずに。

ハルトの拳が男を捉え、吹き飛ばす。
残りの二人が振り返るが、ヨシとフユタケも既に構えていた。

彼らの連携は完璧だった。
一人、また一人と、襲撃者たちは沈んでいった。

第10章:サイレンと真実

けたたましい笛の音が騒音を切り裂いた。
警察だ。

野次馬たちが一斉に逃げ出す。
ゲームセンターの店主が叫んだ。
「この子たちの言う通りだ! 先に手を出したのはあいつらだよ!」

警察が四人の不良を連行していく。
ヒカリはエイノスケの肩を貸し、立たせてあげた。
「……ありがとう」

エイノスケは疲れ果てていたが、誇らしげに微笑んだ。
アイラは彼を見つめ、少しだけ見直していた。
そして、ハルトたちの方を見る。
心臓の鼓動が、少しだけ早くなった。

第11章:恐怖の後の笑い

一行は屋台に座り、興奮冷めやらぬ様子で語り合った。
「あの蹴り見たかよ?」
「アイツ、飛んでったぜ!」
「俺、腕がもげるかと思ったよ」

彼らは笑い合い、おどけて格闘シーンを再現した。
楽しい時間はあっという間に過ぎる。
エイノスケは丁寧に頭を下げた。
「ありがとう。君たちは本当にすごいよ」

こうして彼らは友人となった。
そして、それぞれの帰路につく。

第12章:異様な光景

アイラ、ヒカリ、ヨシの三人が一緒に帰り、ハルトとフユタケは護衛のようにその後ろを歩いた。

しばらくして、ハルトとフユタケは繁華街の方へと引き返した。
その時、彼らは見てしまった。

エイノスケを。

彼は公園の中に立っていた。
周囲には、三十人近い男たちが集まっている。
彼らは一斉にエイノスケに頭を下げた。

ハルトは凍りついた。
「……何だ……これ……」フユタケが囁く。

二人は音を殺して後を追った。
辿り着いたのは空き家。
窓から中を覗き込むと――。

そこには、さっきの不良四人がいた。
逆さ吊りにされ、拘束されている。

エイノスケの怒号が響いた。
「俺の女に無礼を働いたこと、後悔させてやる……!」

ハルトは息を止めた。
その時。

背後から声がした。

「――てめぇら、ここで何してんだ?」

第1部 完

この後、一体何が起こるのか?

エイノスケの正体とは?

アイラとヒカリは、知らぬ間に危険な渦に巻き込まれてしまったのか?

ハルトとフユタケはこの場を逃げ切れるのか……それとも捕らえられてしまうのか?

すべての答えは、第2部で明らかに。